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次期入管システムの構想と問題点
スライド:24
Slide24 次期入管システムの問題点 (1) 脅威の極大化
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 まず注目したいのは、次期入管システムでは、個人単位での結合が可能な形で個人情報を大規模集積しようとしていることの問題です。その結果、行政(国家)による恣意的なプロファイリングを可能とする環境が提供され、プライバシーと基本的人権に対する脅威は極大化に向かうことになるでしょう。
 また、個人情報の高度な集積による運用の根拠として、「テロリストの脅威」や「外国人の犯罪の増加」に対する「安心・安全の提供」という課題が打ち出されていますが、このような前提や課題自体の現実性・正当性・論理性・合理性は、ほとんど何も検証されていません。
 このことはまた、こうした課題に対する解決の手段として、「現行入管システムと同等の機能」や「次期入管システムの新規導入機能」が、現実的・合理的・効果的な手法であるかどうかについても、適切な検証がされていないことを示しています。
     *   *
 入管業務の効率化ということで考えるなら、おそらく、制度や業務手順、組織構成などを根本的に見直すことで得られる効果はかなり大きいはずです。しかしそのような検討は、「従来と同等の機能(の提供)」ということばで「最適化計画」からは排除されているように見えます。これは法務省の入管システムだけでなく、あらゆる電子政府構築計画に共通している問題です。

もくじ
1  次期入管システムの構想と問題点−−情報人権の視点から
2  もくじ
3  はじめに 次期入管システムの全体イメージ
4  次期入管システム(システム構成)
5  次期入管システム(機能構成)
6  次期入管システム(データフロー)
7  次期入管システム(ネットワーク)
8  1. 次期入管システムの課題
9  現行入管システムのシステム構成
10  入管システムの「見直し・最適化」
11  2. 次期入管システムの構想
12  次期入管システムの構想
13  次期入管システム構想の導入スケジュール
14  3. 次期入管システムのポイント
15  次期システムのポイント
16  レガシーシステムから「IT」へ
17  先端的技術の積極的導入
18  情報の積極的統合(連携)
19  統合データ管理システム
20  インテリジェンスシステム
21  ナレッジマネジメントシステム
22  位置情報システム
23  4. 次期入管システムの問題点
24  次期入管システムの問題点 (1) 脅威の極大化
25  次期入管システムの問題点 (2) 技術以前の課題
26  5. 情報人権の視点から
27  「情報人権」ということば
28  ネットワーク社会から見た「近代国家」
29  国家による「監視」の拡大
30  (国家による)監視の統合・収斂
31  監視の統合・自動化がもたらすもの
32  「差別と排除」のネットワーク/「対話と共存」のネットワーク
33  付記
34  参考資料

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