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●「個人情報保護法」の施行
 2004年の1年間を通じて、企業の個人情報漏洩事件があいついで報道される中で、「個人情報保護」は市民からの強い関心の対象となりました。同時に企業などの現場では、「個人情報保護法」施行に向けた、さまざまな対策が実施されてきたことも、強い関心を呼び起こす大きな原動力になっています。
 全体的に見ると、日本の市民は、民間での個人情報利用サービスにはある程度受容的ですが、行政機関による個人情報の取り扱いには強い抵抗感を持ち、否定的に対応していると言える状況だと思います。
 個人情報保護法は「OECD 8原則」を基礎として、個人情報取り扱い事業者自身が適切な情報資産の漏洩防止などの自己防衛対策を行うことによって、個人情報を利用した犯罪の発生を未然に防止しようとするものです。しかし多くの企業は、この法律を「法的な規準」として受け止めているため、「個人情報保護対策」は形式的であまり実効性がないとも言われます。

●「住基ネット」の稼働と市民の抵抗
 ご承知のように日本では、個人情報保護法全面施行以前の2002年から2003年にかけて、個人情報の取り扱いについては、「国による収集・利用」の問題としてきわめて高い注目を集めました。つまり「住基ネット」の稼働と「住民票コード」(国民ID番号)の採用、そして「住基カード」(スマートカードを利用した国民IDカード)発行の問題です。
 まず国民ID番号(住民票コード)についてですが、全国民に郵送された「住民票コード通知」に対して、全国で意識的な受け取り拒否が行われ、現在でも社会的な定着にはほど遠い状態です。横浜市が採用した「市民選択制」では、「住基ネットへの本人確認情報非通知」を選択した横浜市民が84万人いました。横浜市全人口の24%を占めます。
 全国の多数の市町村で、行政不服審査法にもとづく不服審査申し立てや、市町村条例に基づく個人情報の外部提供中止請求などが、住基ネットの稼働や国民ID制度の実施に対抗する意思表示として行われました。また、住基ネットの稼働差し止めなどを求める行政訴訟も多数にのぼります。たとえば全国で統一弁護団を組織している「住基ネット差し止め訴訟」は、 15の地方裁判所(支所)で現在審理が続けられています。
 2003年8月には、「住基カード」の発行(任意)が開始されました。しかし発行開始から1年を経た2004年8月の総務省調査では、発行枚数約34万枚、人口比で0.28%という結果です。発行された住基カードの多くは、職業を持たない高齢者の身分証明書として利用されているそうです。


もくじ

日本の市民運動から見た 個人情報流通拡大の問題点と課題
市民社会の強い関心と抵抗−−個人情報保護法と住基ネット
行政機関間の個人データ流通の急激な拡大
生活に「接続」する行政ネットワーク
市民の「生活」における監視への行政機関の強い関与
行政機関の関与に対する企業の「期待」と自己規制
日本の市民運動の課題
ユビキタス社会の「影の部分」に対する対応
「ユビキタスの輸出」に対応する 市民の国際的な連携を

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