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スライド09
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●日本政府が輸出しようとしている「ユビキタス」
 日本政府が「輸出」しようとしている「ユビキタス」は、たとえば、国際的に注目され地域によってはすでに定着している「プライバシー影響アセスメント」(Privacy Impact Assessment : PIA)や「プライバシー強化技術」(Privacy Enhancing Technology : PET)について、まったく考慮していません(注)。それは、今まで見てきたように、個人情報の収集・運用に対する行政機関の強い関与を前提とする実用化技術であり、情報通信技術の社会的適用の形態としては偏ったものになるでしょう。
 そして、こうしたシステムや技術は、日本政府の主導によって、主要にアジア地域などをターゲットとして「輸出」されようとしているように見えます。

●「個人情報の政治」(D. ライアン)
 日本の市民運動はさまざまな点で力不足です。こうした偏った技術によって「ユビキタス・ネットワーク」が国際社会において形成されようとしていることに、私たちは強い危惧を感じていますが、それに対して現在私たちにできることは、多くはありません。
 昨年秋、「監視社会」("Surveillance Society")の著者であるカナダ・クイーンズ大学のDavid Lyonさんをまねいて東京で開かれたシンポジウムで、彼は「個人情報を配慮(care)する広範な文化の育成」ということばを使っていました。また、「個人情報の政治」ということばで、多様な価値観・文化・政治的経済的利害の深刻な違いを越えようとする「対話」の重要性を指摘していました。
 グローバル化されつつあるネットワーク上で、そのような文化と政治を日本の市民運動が育成していくために、私たちは国際的な市民の連携を必要としています。

:「ユビキタス」の提唱者である東京大学の坂村健さんは、「ユビキタス」における社会インフラとして、個人情報保護などの社会的問題の洗い出しと対策の確立を強調しています。従って、彼の発言や行動は、日本政府の活動とはさまざまな点で異質である部分を含んでいると考えられます。


もくじ

日本の市民運動から見た 個人情報流通拡大の問題点と課題
市民社会の強い関心と抵抗−−個人情報保護法と住基ネット
行政機関間の個人データ流通の急激な拡大
生活に「接続」する行政ネットワーク
市民の「生活」における監視への行政機関の強い関与
行政機関の関与に対する企業の「期待」と自己規制
日本の市民運動の課題
ユビキタス社会の「影の部分」に対する対応
「ユビキタスの輸出」に対応する 市民の国際的な連携を

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