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Slide 01

 

● はじめに ●

 JCA-NETは2002年春から、いわゆる住基ネットを中心とする問題に取り組んできました。この取り組みの中で、「住基ネット」が持つ問題が、単に「住基ネット」というシステムだけの問題ではなく、現在進められている電子政府・電子自治体構想全体の問題に通じていることがしだいに理解されてきました。

 この問題はまた、国際的な広がりの中で、とくに東アジア地域において多くの共通性を持って拡大しています。

 本報告は、こうした東アジアの動向を踏まえながら、「住基ネット」のような行政システムが持つ問題、とくに人権やプライバシーに深く関わる問題と、とそれに対する市民社会の側の課題を整理しようとする試みです。電子政府・電子自治体の「プライバシー」問題を指摘する場合、その多くは「監視社会」の文脈で語られていますが、この報告ではあえて「監視社会」とは異なる文脈で電子政府・電子自治体の「プライバシー」を取り扱います。しかし、そこから見いだされる市民社会の持つ課題は、「監視社会」の文脈から指摘される課題と本質的には変わらないものと考えています。

 ここで報告する市民社会の課題に対しては、何らかの具体的な取り組みを進めるために、現在JCA-NETにおいて市民による共同プロジェクトの可能性が検討されています。

 表題にある「MIS」はManagement Information System(経営情報システム)の略称です。大型コンピューター(メインフレーム)全盛期の90年代はじめまでは、企業のコンピューターシステムを指す一般的なことばでした。その後の急激なダウンサイジングの流れの中で、大型コンピューターを使ったMISは、パソコンやインターネット型ネットワーク技術(分散開放型ネットワークの技術)などを利用する「サーバー・クライアント型」の企業システムに置き換えられてきたものです。

 MISのシステムとしての性格は、

  • ネットワーク構造が中央集中型であること(効率化された企業組織をそのまま反映したもの)
  • コンピューター本体と操作端末の関係は、本体が強く優越するマスター・スレーブ型であること
  • システムはきわめて閉鎖的に構築・運用されていること

と特徴づけることができます。これは、現在主流となっているクライアント・サーバー型システムの特性と完全に対立するものです。

 ところが、日本の「住基ネット」やLGWAN(総合行政ネットワークシステム:全国の自治体と国の機関を結ぶネットワーク)の論理的ネットワーク構成に典型的に現われているように、MISはダウンサイジング(というよりも、むしろ「電算化」そのものが大幅に遅れていた日本の行政機構の中で、分散開放型ネットワークの技術を大幅に取り入れたシステム設計思想として復活しつつあります。

 こうした動向のなかで作られているシステムを、ここではとりあえず、「MIS的なネットワークシステム」と呼んでいます。

*03.11.13テキスト一部改訂


●もくじ(Slide番号でジャンプ)

01:行政機関のMIS的なネットワークシステムへの傾斜と 人権保障・プライバシー保障の課題

02:1 東アジアの動向

03:  韓国の全国教育行政システム(NEIS)

04:  My Kard(マレイシア)

05:2 MIS的なインターネットへの警鐘

06:3 行政における統制型(MIS的)ネットワークシステムへの傾斜

07:  住民基本台帳ネットワークシステム(論理的構成)

08:  自治体共同IDC(経済産業省実証実験)

09:4 行政(公共)サービスにおける 個人情報の収集・利用

10:5 行政(福祉)サービスにおける プライバシー

11:6 行政システム/サービスにおける人権/プライバシー侵害の発生要因

12:7 (日本の)NPOおける課題

13:8 NPOをとりまく環境(1)NPOのネットワーク接続

14:9 NPOをとりまく環境(2)ネットワーク環境

15:10 NPOをとりまく環境(3)プライバシー保障

16:11 NPOの課題

17:12 国際的な課題

18:  参考資料