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マイカード:My Kad(マレイシア)

マイカードの概略

 このイラスト・写真は、マレイシアで2001年から配布が開始された、ICカードを使った国民身分証明書(マイカード:My Kad)です。My Kad以前の身分証明書は紙製で、裏面に指紋が押されていました。

 現在このカードは500万枚以上配布されているといわれ、2005年までには全国民に配布される予定です。

 採用されたICカードは多数の機能を搭載できる「マルチアプリケーション」カードで、初期のカードの容量は32kバイトといわれていましたが、最近は64kバイトのカードが使われているようです。接触型カードで、日本の住基カードの接触非接触両用型とは異なります。このため、非接触型が必要とされる「交通カード」(公共交通機関の料金精算機能:JRのSuicaが代表例)のような機能は持っていません。

 それ以外の機能は、住基カードとよく共通しており、運転免許証として使えること、パスポートの情報(パスポートは別途必要)を持っていて入出国事務を効率化している点などでは、住基カードの未来型といえます。

マイカードのマルチアプリケーション

 My Kadに搭載されている機能は、

  • 身分証明書:国民ID番号・氏名・住所・性別・出身地・未婚/既婚・写真および指紋の画像情報
  • 個人認証機能(PKI):日本の公的個人認証サービスと同様の公開カギ方式によるネットワーク上での個人認証機能
  • 電子通貨:銀行ATMカードやクレジットカード・電子財布などの機能
  • 健康情報:血液型およびアレルギーについての情報
  • パスポート情報:入出国手続きの自動化に使われる情報で、パスポートは別途発行されている
  • 運転免許証

です。マレイシア政府もMy Kadの民間利用を進めており、建物などへの入場時における身元確認などの分野で、かなり広くMy Kadが使われているといわれます。

身分証明書が招いた市民社会の破壊

 My Kadやその前身である紙ベースの身分証明書が、マレーシア国民の人権を大きく抑圧し、マレーシアの市民社会を破壊してきたことは、人権団体などが強く指摘してきていることです(日本語による報告が、近日中に公開される予定)。

 最近、My Kadのシステムがバーレーンでも採用されることになったとの報道がありました。
 日本政府は、住基カードのシステムがMy Kadに比べて「安全性」で優れていること強調して「輸出」をねらっていますが、すでに大きな実績を持つMy Kadに先を越されている状態といわれます。


●もくじ(Slide番号でジャンプ)

01:行政機関のMIS的なネットワークシステムへの傾斜と 人権保障・プライバシー保障の課題

02:1 東アジアの動向

03:  韓国の全国教育行政システム(NEIS)

04:  My Kard(マレイシア)

05:2 MIS的なインターネットへの警鐘

06:3 行政における統制型(MIS的)ネットワークシステムへの傾斜

07:  住民基本台帳ネットワークシステム(論理的構成)

08:  自治体共同IDC(経済産業省実証実験)

09:4 行政(公共)サービスにおける 個人情報の収集・利用

10:5 行政(福祉)サービスにおける プライバシー

11:6 行政システム/サービスにおける人権/プライバシー侵害の発生要因

12:7 (日本の)NPOおける課題

13:8 NPOをとりまく環境(1)NPOのネットワーク接続

14:9 NPOをとりまく環境(2)ネットワーク環境

15:10 NPOをとりまく環境(3)プライバシー保障

16:11 NPOの課題

17:12 国際的な課題

18:  参考資料