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11 NPOの課題

 以上の検討から、いくつかのNPOの課題が明らかになってきます。

 まず、電子政府/電子自治体のシステムに接続することがNPOに強く求められていながら、NPOの柔軟な活動を阻害する要因になりうること、NPOとしてプライバシー保障ができないことなどの問題に対して、地域NPOの独自性にもとづくシステムを設計・構築・運用するとことは、あまり現実的ではありません。とくに地域NPOには、こうした計画を立案・実施するための技術的・資金的能力が形成されていません。

 NPOにおける技術の修得・資金的基盤の確立は、すでに多くのプロジェクトなどによって取り組まれていく課題で、一定の成果を上げつつあることは事実ですが、現在の急激な電子政府・電子自治体の構築の流れに対応できるだけの早急な成果を期待することはできません。

 このため、ほとんどの地域NPOは、国・自治体の用意したネットワークシステムに接続されることになります。

ネットワーク上でのプライバシー保障のための指導的理念の獲得

 しかし、こうした現実の中で、NPOにおける「ネットワーク上での人権保障・プライバシー保障のための指導的理念や具現実的な対策手法の創出・獲得」という課題は実現可能であり、またNPOのネットワーク接続にとって必須です(たとえば、「NPOのためのネットワーク・プライバシー・ハンドブック」のようなもを想定することができます)。

 むろん、このような理念や対策手法は、それを必要としているNPO独自の力だけで作り上げることができないことも、また明らかでしょう。

市民社会の課題

 したがってこの課題は、地域やNPOという枠組みを越えて、市民社会という大きな枠組みの中で解決する必要があります。
 現在の電子政府・電子自治体構築の動きが示している「MIS的なインターネット」への傾斜の中で、「ネットワーク上での自由な個人」とは別の概念として、「ネットワーク上での人権・プライバシー」に注目することは、市民社会の重要な課題となっています。


●もくじ(Slide番号でジャンプ)

01:行政機関のMIS的なネットワークシステムへの傾斜と 人権保障・プライバシー保障の課題

02:1 東アジアの動向

03:  韓国の全国教育行政システム(NEIS)

04:  My Kard(マレイシア)

05:2 MIS的なインターネットへの警鐘

06:3 行政における統制型(MIS的)ネットワークシステムへの傾斜

07:  住民基本台帳ネットワークシステム(論理的構成)

08:  自治体共同IDC(経済産業省実証実験)

09:4 行政(公共)サービスにおける 個人情報の収集・利用

10:5 行政(福祉)サービスにおける プライバシー

11:6 行政システム/サービスにおける人権/プライバシー侵害の発生要因

12:7 (日本の)NPOおける課題

13:8 NPOをとりまく環境(1)NPOのネットワーク接続

14:9 NPOをとりまく環境(2)ネットワーク環境

15:10 NPOをとりまく環境(3)プライバシー保障

16:11 NPOの課題

17:12 国際的な課題

18:  参考資料