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●住基ネットの持つ問題

(4) 住基ネットが採用したセキュリティ確保の手法は失敗している。
  その結果、セキュリティが確保できないだけでなく、プライバシーも保障できない

 住民基本台帳ネットワークシステム推進協議会の「住民基本台帳ネットワークシステムセキュリティ基本方針書」(00年9月25日)における「(基本理念)2.(相互連携・協力と責務の遂行)」の引用です。同推進協議会(住基ネット推進協、または単に推進協と略称されています)は、地方自治情報センターに本人確認情報を国の機関に提供する業務を委託している全都道府県で構成される任意団体です。

 この文書では、住基ネットのセキュリティを「統一的・均質的」に構築・維持するという考え方を採用しています。統一的・均質的なセキュリティ構築と維持を成功させるためには、住基ネット推進協(あるいはその上部団体である地方自治情報センター・総務省)が、市町村の現場の実態正確に把握していて、必要な維持や支援をあたえ、統一性・均質性を確保する必要があります。

 ところが、例えば上の図に示したように、総務省が3回にわたって発表した「インターネット接続をしている市町村」(危険な自治体)の数は、発表のたびに大きく増減しており、まったく信頼できません。
 「統一的・均質的」なセキュリティ構築の基礎となる市町村の現状把握すら、総務省(地方自治情報センター・住基ネット推進協)にはできていないと判断せざるを得ません。その結果、長野県個人情報保護審査会の1次報告書に見られるように、現実の問題として住基ネットはセキュリティ構築に失敗しています。

*最近総務省は、「インターネット接続」の危険性を強調するのをやめて、「インターネットとはファイヤーウォールを介して接続すれば安全」と指導しています。むろんこのような方法で安全が確保できると考えるのは「ファイヤーウォールへの過剰依存」です。総務省のこの発言に対する批判については、こちらを参照してください。→ ここをクリック(別のウインドウを開いて参照します。このページに戻るには、参照しているウインドウを閉じてください)


●もくじ(Slide番号でジャンプ)

01:技術的視点から 札幌市「選択制」を考える

  02:住基ネットの現在:プライバシーの危機

  03:個人情報の安心と安全

04:長野県審議会報告書 における指摘

  05:多数の自治体で住基ネットは外部と接続されている

  06:セキュリティにどれだけコストをかけるべきかという問題提起

  07:自治体首長の安全確保義務規定(住基法36条の2など)の重要性

08:住基ネットの持つ問題

  09:監視社会のインフラ(プライバシーの侵害)

  10:セキュリティが十全でも プライバシー侵害は起きる

  11:地方自治の不在

    12:(参考)インターネット方式だったらこんな形

  13:住基ネット全体のセキュリティ確保は失敗している

    14:住基ネットの信頼基盤構築失敗のプロセス

    15:相互信頼にもとづくネットワーク参加の手続き

  16:セキュリティコストを含めた行政システムの費用対効果の評価ができていない

  17:電子政府・電子自治体は「情報公開と市民参加」の 可能性を活用できていない

18:どのような選択制が有効か

  19:技術的視点から見た自己情報コントロール権の 根拠と目的

    20:セキュリティの確保・プライバシーの保障のプロセス

  21:「選択制」(自己決定:自己情報コントロール)の限界

  22:住基ネットにおける「選択制」の意義

  23:「住基ネット」における「選択制」を現実的なものとするための条件