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●どのような選択制が有効か

(3) 「選択制」(自己決定:自己情報コントロール)の限界
 このような「選択制」(自己情報コントロール)は、公正な市場原理の機能に依拠するもので、市場における公正性確保のための仕組みが有効に機能していることが前提とされています。
 従って、上の図にあるような市場原理が公正に働くことが期待できない環境では、選択制(自己決定・自己情報コントロール)は有効に機能することが期待できません。

 行政システムは、ほとんどの場合「市場独占」の状態です。したがって、自己情報コントロール権・「選択制」が有効に働き、セキュリティ・プライバシーの強化が意欲的に進められる動機付けにはなりません。

 上の図にある6つの条件は、多かれ少なかれ日本の社会や行政にあてはまるものです。だから「住基ネットの選択制」には、大きな効果を期待することは困難だ思われます。また、こうした社会や政治機構は、「選択制」といった制度自体に極めて強い抵抗を示すことが、すでに総務省の横浜市などに対する締め付けの中でも顕著に現われています。


●もくじ(Slide番号でジャンプ)

01:技術的視点から 札幌市「選択制」を考える

  02:住基ネットの現在:プライバシーの危機

  03:個人情報の安心と安全

04:長野県審議会報告書 における指摘

  05:多数の自治体で住基ネットは外部と接続されている

  06:セキュリティにどれだけコストをかけるべきかという問題提起

  07:自治体首長の安全確保義務規定(住基法36条の2など)の重要性

08:住基ネットの持つ問題

  09:監視社会のインフラ(プライバシーの侵害)

  10:セキュリティが十全でも プライバシー侵害は起きる

  11:地方自治の不在

    12:(参考)インターネット方式だったらこんな形

  13:住基ネット全体のセキュリティ確保は失敗している

    14:住基ネットの信頼基盤構築失敗のプロセス

    15:相互信頼にもとづくネットワーク参加の手続き

  16:セキュリティコストを含めた行政システムの費用対効果の評価ができていない

  17:電子政府・電子自治体は「情報公開と市民参加」の 可能性を活用できていない

18:どのような選択制が有効か

  19:技術的視点から見た自己情報コントロール権の 根拠と目的

    20:セキュリティの確保・プライバシーの保障のプロセス

  21:「選択制」(自己決定:自己情報コントロール)の限界

  22:住基ネットにおける「選択制」の意義

  23:「住基ネット」における「選択制」を現実的なものとするための条件